Webマーケティング担当として急に抜擢された方の中には、よくわからない専門用語やアルファベット3文字の単語がやたら多くて困る、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんなWebマーケター1年生向けの一般的な用語を、絶対に覚えておきたい単語に絞って解説していきます。すべてのIT人材にとって、覚えておいて損がない内容だと思います。
広告運用周りの用語
■コンバージョン(CV)
Webマーケ界隈においてコンバージョン(CV)は何らかの目標達成のことを指します。一般的に、CVとなる指標は扱ってる商材によってまちまちです。
<CVとなる指標の例>
・ECサイトであれば:商品購入
・化粧品のマーケティングであれば:無料サンプルお申し込み
・B2Bの基幹システムであれば:資料請求やメルマガ登録
CVしたユーザーのうち何割かが商談につながるリードになるわけなので、CV数を増やしていくのがWebマーケターの最重要タスクとなります。
■マイクロコンバージョン
マイクロコンバージョンは、コンバージョンに至るまでの過程に存在する中間目標を指します。例えば、WEBから申し込みをする人は必ず「申込みフォーム」を閲覧することになりますので、「フォーム閲覧」という行為はマイクロコンバージョンになり得ます。
特にB2B商材ではCVの絶対数が少なくなりがちなので、マイクロCVでパフォーマンスを比較していくことが重要になるケースがあります。
例えば「4月の資料請求数が12件、5月の資料請求数が10件」といった数字をアクセス解析で得られた際に、2件程度は誤差の範囲とも考えられ、どのように改善策をとるべきか判断に困ってしまいます。
一方で、「4月のフォーム閲覧が160件、5月のフォーム閲覧が80件」といったように、1歩ひいた広い視点で数値を把握できれば、「5月の広告戦略に何か問題があったのかもしれない?どこに問題があったか?」といった視点で対策をとることができるようになります。
「改善アクションに活かせるアクセス解析を行う」というのはWebマーケターにとって大事なマインドです。
■CVR(CV Ratio:コンバージョン率)
コンバージョンの達成率を指します。
<CV=資料請求の場合のCVRの例>
1月のWebサイトへの流入=40,000セッション
↓
1月のWebサイト経由の資料請求=20件
このとき、CVRは0.05%(=20/40000)と言うことができます。
単純計算として、CVRが増えるとCV数が増えてシード数が増えることになるので、CVRが増えるようにWebサイトや広告クリエイティブを改善していくことがWebマーケターの仕事となります。
■IMP(Impression:インプレッション)
一般的にWeb広告の表示回数を指します。
ここで、代表的な広告の課金形態をご紹介します。
・インプレッション課金:広告表示だけで料金が発生する形態
・クリック課金:広告がクリックされて初めて料金が発生する形態
仮に、自社商材を全然検討していないユーザーにばっかり広告が表示されてしまい、しかもそれが「インプレッション課金」だった場合は最悪ですね。CVRと違い、必ずしも数が多ければOKということではないので注意が必要です。
■CTR(Click Through Rate:クリック率)
クリック率を表し、クリック数÷インプレッションで算出されます。CTRが低い広告については、広告文やバナークリエイティブを見直してCTRを改善させていくことで成果向上を見込めます。
■CPC(Cost Per Click)
1クリックあたりにかかる費用を指します。インプレッション課金形式であっても、実績ベースでCPCを算出するケースがあります。
<インプレッション課金形式におけるCPCの算出例>
・CPM(1000回表示当たりの料金):12,000円
↓
・実際クリック数:100回(クリック率10%として)
↓
・CPC換算:120円
また、例えばリスティング広告(後述)では入札単価をAIが自動で上げ下げしてくれるため、実績を基にして「平均CPC」を算出してパフォーマンスを比較したりします。
■CPA(Cost Per Acquisition/Cost Per Action:獲得単価)
コンバージョンの獲得単価を示します。かけたコスト÷コンバージョン数で算出されます。結局、CPAを改善していく(すなわちCPAを下げていく)ことが日々の業務におけるミッションとなります。
アクセス解析周りの用語
■チャネル
Webサイトへの流入経路を指します。
・オーガニック(自然検索):検索エンジン経由でのサイト流入を表します。
・Paid Search:検索広告経由の流入を指します。
・Display:ディスプレイ広告(バナーなど)経由の流入を表します。
・Refarral:別のサイトからリンクで来たことを表します。
・Direct:URL直打ち、お気に入りからの遷移、アプリ(例えばTwitter)からの流入などを表します。
「オーガニックなら何か困りごとやニーズがあるに違いない」「Displayはバナーを見かけただけなので検討度合いは低め」といった具合に、チャネル別の特性を意識しながらアクセス解析をするのが重要です。
またGoogleアナリティクスでは「キャンペーンパラメータ」を活用することで独自のチャネル(例えばメルマガ経由)を計測することも可能です。
■セッション
Webサイトへの1回の流入を指します。Googleアナリティクスの一般的な設定においては、
・30分以上時間が空いたら(正確には操作がなければ)別セッション
・異なるチャネル経由で流入したら別セッション
・デバイスが違えば別セッション(例えばPCとSPとか)
・ブラウザが違えば別セッション
となります。普通はクッキーベースでセッションログを管理してます。
■LP(ランディングページ)
「Web広告(テキストやバナー)からのリンク先Webページ」という意味で使われることが多いですが、一般的には広告に限らず、1ページ目に閲覧されるページをランディングページと呼びます。
■直帰
Webページを1ページだけしか見てもらえなかったセッションを「直帰セッション」と呼びます。直帰率が高い場合、ランディングページを見直したり、広告文とLPのペアを見直したりする必要があるでしょう。
終わりに
本記事で説明した用語で一通り基本的なものは抑えられているのではないかと思いますが、他にも無数に専門用語が存在しますので、わからないときには都度ググる必要があります。
別記事にて、「マーケター1年生に知ってほしいアクセス解析の基礎」を解説したいです。
Ginga